大学の文学部の中でも、とりわけ「趣味を学ぶ学科」と揶揄されやすい歴史学科ですが、実は社会人になってからも非常に有用な考え方を学べる学科です。
歴史学科が他の学科より推薦できる理由は2つあります。1つ目の理由は、歴史は全ての学問に通ずるものであるからです。一般的に、高校までの歴史は暗記科目という印象を持たれがちですが、それは過去の一点の歴史記述のみにライトを当てていることが原因です。本来、歴史とはある時点からある時点までの時間の経過そのものを指します。例えば医学に関しても、現代医学が成立するまでの歴史があります。もちろん医学だけでなく、経営学や芸術、栄養学など、一見縁がなさそうに見える物事にも同様に歴史があります。歴史を修めることは、あらゆる学問や知識のバックボーンを知ることになります。
2つ目の理由も1つ目に関連していますが、歴史学の研究プロセスが社会生活全般にも応用できるからです。歴史学とは、時間の流れを遡り、物事の成り立ちや来歴を紐解く学問です。歴史学を研究するということは、現在に存在する物事を注意深く洞察し、物事の原点を探ることに他なりません。数多くの情報がハイスピードで飛びかう現代において、表面的に見えている事象の本質を探るテクニックを身につけていることは、虚偽の情報に惑わされない洞察力を身につけることに繋がります。
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